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更新履歴

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  • 2022-10-23: 公開
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はじめに

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2023 年 3 月 23 日から 25 日にかけて開催予定 (記事執筆時点) の、PHPerKaigi 2023 において、昨年と同様に、弊社デジタルサーカス株式会社 から、トークン問題を出題予定である。

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昨年のトークン問題の記事はこちら: PHPerKaigi 2022 トークン問題の解説

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すでに 2023 年用の問題は作成済みであるが、その制作過程の中でいくつかボツ問ができた。せっかくなので、PHPerKaigi 開催を待つ間に紹介しようと思う。

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10 月から 2 月まで、毎月 1 記事ずつ公開していく予定 (忘れていなければ)。

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問題

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注意: これはボツ問なので、得られたトークンを PHPerKaigi で入力してもポイントにはならない。

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<?php
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-= $argv[1] ?? null;
-if ($π === null) {
-  exit('No input.');
-}
-= trim($π);
-if (!is_numeric($π)) {
-  exit('Invalid input.');
-}
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-$s = implode(array_map(chr(...), str_split($π, 2)));
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-preg_match('/(\x23.+?) /', $s, $m);
-$t = $m[1] ?? '';
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-if (md5($t) === '056e831a4146bf123e8ea16613303d2e') {
-  echo "Token: {$t}\n";
-} else {
-  echo "Failed.\n";
-}
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トークン入手方法

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ソースを見るとわかるとおり、$argv[1] を参照している。それを なる変数に代入しているので、円周率を渡してみる。

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$ php Q.php 3.14
-Failed.
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失敗してしまった。精度を上げてみる。

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$ php Q.php 3.1415
-Failed.
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だめだった。これを成功するまで繰り返す。

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最初にトークンが得られるのは、小数点以下 16 桁目まで入力したときで、こうなる。

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$ php Q.php 3.1415926535897932
-Token: #YO
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めでたくトークン「#YO」が手に入った。

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解説

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短いので頭から追っていく。

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= $argv[1] ?? null;
-if ($π === null) {
-  exit('No input.');
-}
-= trim($π);
-if (!is_numeric($π)) {
-  exit('Invalid input.');
-}
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入力のバリデーション部分。数値のみ受け付ける。

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$s = implode(array_map(chr(...), str_split($π, 2)));
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を 2 文字ごとに区切り (str_split)、数値を ASCII コードと見做して文字に変換 (chr) して結合 (implode) している。

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例えば、'656667' だったとすると、656667 に対応した 'A''B''C' へと変換され、'ABC' になる。

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= '656667';
-$s = implode(array_map(chr(...), str_split($π, 2)));
-echo $s;
-// => ABC
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preg_match('/(\x23.+?) /', $s, $m);
-$t = $m[1] ?? '';
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正規表現でマッチングしている。\x23# と同じであることに留意すると、この正規表現は「# から始まる 2 以上の長さ (含 #) の文字列で、最初に現れるスペースまで」にマッチする。つまりこれは、PHPerKaigi におけるトークンである。

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なお、# を直接書いていないのは、/#.+?) / と書くと、#.+?) という意図せぬトークンが登録されてしまうからである。

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if (md5($t) === '056e831a4146bf123e8ea16613303d2e') {
-  echo "Token: {$t}\n";
-} else {
-  echo "Failed.\n";
-}
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最後にトークンのハッシュ値を見て、想定解かどうかを確認する。

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おわりに

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円周率を何桁も計算して ASCII コード経由で文字列化すれば、トークンっぽいものがどこかで出てくるのではないか、と考えて生まれた作品。

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最初は真面目に円周率の計算プログラムを組んでいたのだが、いざ動かしてみるとやけに浅いところにあったので驚いた (ちなみに、それでも M_PIpi() では精度が足りない)。見つけたときは狂喜したものの、冷静になってみると大して面白くなかったのでボツになった。むしろ、100 万桁目くらいに埋まっていてくれたほうがよかったかもしれない。

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