+
+

更新履歴

+
    + +
  1. + : 公開 +
  2. + +
+
+ + + + + +
+

+ + はじめに + +

+
+
+

2023 年 3 月 23 日から 25 日にかけて開催予定 (記事執筆時点) +の、 PHPerKaigi 2023 +において、昨年と同様に、弊社 デジタルサーカス株式会社 +から、トークン問題を出題予定である。

+
+
+

昨年のトークン問題の記事はこちら: +PHPerKaigi 2022 +トークン問題の解説

+
+
+

すでに 2023 +年用の問題は作成済みであるが、その制作過程の中でいくつかボツ問ができた。せっかくなので、PHPerKaigi +開催を待つ間に紹介しようと思う。

+
+
+

10 月から 2 月まで、毎月 1 記事ずつ公開していく予定 (忘れていなければ)。

+
+
+
+ + + + + +
+

+ + 問題 + +

+
+
+

注意: これはボツ問なので、得られたトークンを PHPerKaigi +で入力してもポイントにはならない。

+
+
+
+
<?php
+
+ = $argv[1] ?? null;
+if ( === null) {
+  exit('No input.');
+}
+ = trim();
+if (!is_numeric()) {
+  exit('Invalid input.');
+}
+
+$s = implode(array_map(chr(...), str_split(, 2)));
+
+preg_match('/(\x23.+?) /', $s, $m);
+$t = $m[1] ?? '';
+
+if (md5($t) === '056e831a4146bf123e8ea16613303d2e') {
+  echo "Token: {$t}\n";
+} else {
+  echo "Failed.\n";
+}
+
+
+
+
+ + + + + +
+

+ + トークン入手方法 + +

+
+
+

ソースを見るとわかるとおり、$argv[1] を参照している。それを +なる変数に代入しているので、円周率を渡してみる。

+
+
+
+
$ php Q.php 3.14
+Failed.
+
+
+
+

失敗してしまった。精度を上げてみる。

+
+
+
+
$ php Q.php 3.1415
+Failed.
+
+
+
+

だめだった。これを成功するまで繰り返す。

+
+
+

最初にトークンが得られるのは、小数点以下 16 +桁目まで入力したときで、こうなる。

+
+
+
+
$ php Q.php 3.1415926535897932
+Token: #YO
+
+
+
+

めでたくトークン「#YO」が手に入った。

+
+
+
+ + + + + +
+

+ + 解説 + +

+
+
+

短いので頭から追っていく。

+
+
+
+
 = $argv[1] ?? null;
+if ( === null) {
+  exit('No input.');
+}
+ = trim();
+if (!is_numeric()) {
+  exit('Invalid input.');
+}
+
+
+
+

入力のバリデーション部分。数値のみ受け付ける。

+
+
+
+
$s = implode(array_map(chr(...), str_split(, 2)));
+
+
+
+

を 2 文字ごとに区切り (str_split)、数値を ASCII +コードと見做して文字に変換 (chr) して結合 (implode) している。

+
+
+

例えば、'656667' だったとすると、656667 に対応した +'A''B''C' へと変換され、'ABC' になる。

+
+
+
+
 = '656667';
+$s = implode(array_map(chr(...), str_split(, 2)));
+echo $s;
+// => ABC
+
+
+
+
+
preg_match('/(\x23.+?) /', $s, $m);
+$t = $m[1] ?? '';
+
+
+
+

正規表現でマッチングしている。\x23# +と同じであることに留意すると、この正規表現は「# から始まる 2 +以上の長さ (含 #) +の文字列で、最初に現れるスペースまで」にマッチする。つまりこれは、PHPerKaigi +におけるトークンである。

+
+
+

なお、# を直接書いていないのは、/#.+?) / と書くと、#.+?) +という意図せぬトークンが登録されてしまうからである。

+
+
+
+
if (md5($t) === '056e831a4146bf123e8ea16613303d2e') {
+  echo "Token: {$t}\n";
+} else {
+  echo "Failed.\n";
+}
+
+
+
+

最後にトークンのハッシュ値を見て、想定解かどうかを確認する。

+
+
+
+ + + + + +
+

+ + おわりに + +

+
+
+

円周率を何桁も計算して ASCII +コード経由で文字列化すれば、トークンっぽいものがどこかで出てくるのではないか、と考えて生まれた作品。

+
+
+

最初は真面目に円周率の計算プログラムを組んでいたのだが、いざ動かしてみるとやけに浅いところにあったので驚いた +(ちなみに、それでも M_PIpi() +では精度が足りない)。見つけたときは狂喜したものの、冷静になってみると大して面白くなかったのでボツになった。むしろ、100 +万桁目くらいに埋まっていてくれたほうがよかったかもしれない。

+
+
+
+