--- [article] uuid = "a4c326a6-5ffe-450c-abf2-45833c5efb6a" title = "【GitLab】 GitLab CI/CD 上での bash/sh は pipefail が有効になっている" description = "GitLab CI/CD で bash/sh スクリプトを動かすと、pipefail オプションが有効になった状態で実行される。" tags = [ "ci-cd", "gitlab", ] [[article.revisions]] date = "2022-11-17" remark = "デジタルサーカス株式会社の社内記事として公開" isInternal = true [[article.revisions]] date = "2024-04-21" remark = "ブログ記事として一般公開" ---
この記事は、2022-11-17 にデジタルサーカス株式会社 の社内 Qiita Team に公開された記事をベースに、加筆修正して一般公開したものです。

ハマったのでメモ。

前提
GitLab CI/CD について

GitLab CI/CD では、Docker executor を用いて任意の Docker image 上でスクリプトを走らせることができる。

例:

ここで、script に指定したコマンドが失敗する (exit status が 0 以外になる) と、即座に実行が停止され、ジョブは失敗する。

では、次のようなケースだとどうなるか。

失敗するコマンドをパイプに接続した。通常 Bash では、パイプの最後のコマンドの exit code が全体の exit code になる。

pipefail オプションについて

前述したようなケースにおいて、途中で失敗したときに全体を失敗させるには、pipefail オプションを有効にする。

こうすると、パイプ全体が失敗するようになる。 この設定は、デフォルトだと off になっている。

発生した問題

次のような GitLab CI/CD ジョブが失敗してしまった。

grep コマンドは、パターンにマッチする行が一行もなかったとき、exit code 1 を返す。よって、pipefail が on になっていると、このジョブは失敗する。 現在の pipefail がどうなっているか確かめるため set +o で全オプションを出力させたところ、pipefail が on になっていた。

しかし、先述したように Bash における pipefail のデフォルト値は off のはずだ。 実際に、ローカルで alpine:latest を動かしてみたところ、

確かに pipefail は無効になっている。

なぜスクリプト内で set -o pipefail しているわけでもないのに pipefail が on になっているのか。

どこで pipefail が on になるか

.gitlab-ci.yml で明示的には書いていないので、GitLab Runner (GitLab CI/CD のスクリプトを実行するプログラム) が勝手に追加しているに違いない。 そう仮説を立てて GitLab Runner のリポジトリ を調査したところ、ソースコード中の以下の箇所set -o pipefail していることが判明した (コメントは筆者による)。

/dev/null; then set -o pipefail; fi; set -o errexit\n") ]]>
どのように解決するか

通常の Bash スクリプトを書く場合と同様に、pipefail が on になっていては困る場所だけ off にしてやればよい。

備考

なお、上述した実装ファイルは shells/bash.go だが、alpine:latest の例でもそうであったように、シェルが sh である場合にも適用される。